日 程: 6月22日(水)18:30~20:00
場 所: 大国保育園
参加者: 12名(対面9名 オンライン3名)  

テーマ:みんなのシャベリ場Part1~子どもとかかわる悩み編~

【三つのグループに分かれての座談会】

グループ①

〇子どもたちのマスクどうしてる?
・強い規制はなくなったが、まだ年齢や屋内外で対応に違いが出てきている。
・職員は絶対着用が多い。現場の意見はどうなのか?コロナを機にみんなで一緒に考える機会となればよいのではないか。
・マスク着用の影響で、家族以外の大人の顔を見る機会がない子どもたち。どんな影響が出てくるのか。全部マイナスと思っていたが、顔全体ではなく、目や視線、声のトーンや身振りなど様々な部分から読み取る力がついていると実感する場面がある。
・着用するのかしないのか、何日休むのかなどしっかりと決まってない部分が多いため、現場が大変。

〇コロナ禍の影響で。
・オンラインでの研修が多くなった。これからも映像を駆使するなど様々な活用ができるのでは。
・礼拝は高齢者が多く、オンライン配信をしても使い方が分からない人が多い。メッセージなど郵送したり、手渡しで配ったりと対応していた。
大学では、今年になって対面になったが、やり取りなどはネットを使うことが増えた。
・小学生は先生によって差が出ているが、子どもたちも徐々に対応できるようになっている。
・保育現場では一緒に食べることがなくなり、大人はマスクをしているので、咀嚼のこと、食べ方のこと、なかなか伝わらない。その中でも様々な工夫を行っているが難しい部分も多い。
・乳児は模倣で学ぶ。やはり保育者が楽しく食べている姿を見せることも必要。
・子どもと保育士が一緒に食べないメリットもある。アレルギーの対応なども含め、食事介助に
集中できる。
・食事の場面でも様々なことで悩むことも多いが、職員間で悩み考え話し合うことが大事。


グループ②

〇保育士の手が足りない
・日々様々な仕事に目まぐるしく追われ、援助が必要な子に対して十分に関わりができていないという反省と課題がある。しかし、現在の日本の保育の対応人数ではどうしても人手が足りないという現実もある。クラス全体を運営しながらも、もっと子どもたちと遊びたいし、手を掛けてあげたいという気持ちはあるが、追いついていかない。
・「先生のことを助けてくれる子どもはいますか?」という参加者からの問いに「子どもに助けてもらうというイメージがわかない」という返答があった。ある園では保育の中での様々な場面で子どもに助けてもらうこと、子どもに信用してもらうこと、大人も子どもも生活や遊びをする中でともに育っていくという思いを持っている。
・子どもにとって遊びの中には生きる経験のすべてが含まれている。人とのかかわり方や物の扱い方、物事のルールなど遊びを通じて様々なことを子どもたちは学んでいる。だからこそ子どもたちと遊ぶということは保育にとって非常に重要なことである。
・保育士はついつい「~しなければならない」を子どもたちに押し付けてはいないだろうか。保育士が子どもに伝えようとすることが正しさを帯びているように見えれば見えるほど、子どもたちに考えを押し付けようとしているように感じる。そのような保育士の姿を見て子どもたちは何を感じているのだろうか。子どもに信用される要素の一つは大人も余裕をもって楽しんでいることにあると思う。
・日々の忙しさの中で少し自分の価値観と子どもたちの行動を見つめ直し、自身の表情、声音、雰囲気に目を向けてみる。子どもに助けてもらい、子どもと一緒に保育を楽しむ。そんな自分自身の保育を見直す機会をもらえた今回のグループトークとなった。


グループ③

〇小学生の子に対する悩み
・学校への登校中にいなくなってしまう。放課後のクラブ活動の帰りなどもいなくなることがあり、夜間なので非常に心配である。
・放課後に関しては、その日の予定などスケジュールを本人としっかり確認することで、衝動的
に違う場所に行くことを避けられるのではないか。
・保護者との関係性の中で、良い子でいなければという思いがあり、学校で勉強についていけな
いことやクラブ活動で上手になれないことなどの心理から無意識に逃避行動に出ているのではないか。

〇クラスの輪の中に入っていけない3歳児への悩み
・一人遊びが好きで、クラスの輪の中になかなか入っていかない。ミックスルーツの家庭で日常の言葉が英語と日本語が混ざっている。衝動性が高く、友だちに対して手が出てしまうこと多い。どうすればみんなの輪の中にはいっていけるのか。
・集団の中には参加しないが、周辺で様子をうかがう姿もあることから、一緒にはいなくても周辺
で参加できているので良いのではないか。少しずつみんなと参加できるようになるのでは。
・言葉のことで、みんなの中に入りづらいという背景があるのではないか。周りの子どもたちとその子の使う言葉について共有できる工夫があっても良いのではないか。
・その子を中心とした活動時間を作っても良いのではないか。
・その子にみんなと居ると楽しいと感じる時間や経験を作っていければ。

〇現代の子どもたちに他者性が育っているのか
・現在はコロナもあり、人と人がかかわる機会が奪われている。休日に親と公園に遊びに行っても、トラブルが起きないように、人とかかわることを避けさせられている姿を見る。そのような中で、人の存在を感じ、人を意識し、人を思う気持ちが育っていかない現状を感じる。


全体トーク

〇子どもには育つ力が備わっている
・上記の他者性の話から。保育の現場においては、一人の乳児が他の乳児を思いやる場面に遭遇する。食事、排泄など一人ですることは難しい赤ちゃんにも人を思いやる力がしっかりあることを感じる。人が人を思いやる力や主体性は子どもたちが元々もっており、周りの大人とのかかわりで失われているのではないだろうか。子どもたちには育つ力が備わっているという言葉からも子どもとかかわる大人の姿勢、保育士の姿勢を見つめ直していく必要があるのではないだろうか。保育という仕事が作業にはなっていないか。やってあげている感があるのではないか。対等性とはどういうことなのか。子どもたちと一緒に保育を楽しむためには・・。

今回のシャベリ場では、グループトークでの参加者の悩みから、参加者それぞれが様々なことを考えるきっかけになったように思う。