日時 : 2022年7月6日 18:30~20:00
会場 : 大国保育園
参加者: 10名(内zoom参加3名)
テーマ: 「今 わたしたちは平和ですか ~平和ってなに~ 」

本日考えてみたいこと
「僕たちは今平和なのかな?」
「私たちが平和ならいかに他国に平和を伝えられるか」

まず初めに参加者の皆さんと自己紹介をして、自分が思う平和をイメージする色は?を答えながらアイスブレイクをおこないました。皆さんから出た平和をイメージする色は虹色、緑、白、黄、青などの色が出されました。

次に「平和ってなんだろう?」についてイメージを身近なことに置き換えながら、皆さんと考え以下の様な答えをもとに平和について考えてみました。

●Q.平和の音ってどんな音?…フワフワ・鳥の声・笑い声・動物の鳴き声・赤ちゃんの声

●Q.平和だなって思うときはどんな時?…朝日と夕日・セツルの朝から人間らしさ・何も考えない時・みんなで笑っている時・一仕事終えた時・子どもが笑っている時

●Q.平和な匂いってどんな匂い?…ご飯の匂い・自然の中にいる時の匂い・田舎の匂い・赤ちゃんの匂い・自然の匂い

●Q.平和を作れるアイテムがあるとしたらどんなもの?ボールでのキャチボール(言葉のいらないコミュニケーション)・ごはん(おなか一杯)・ペン・シャボン玉・素直なことしか言えない薬・愛

以上の様なやり取りを通じて、それぞれのイメージを共有した上で、現在世界の各地で進行する悲惨な状況に目をむけ「平和とはなにか」についての議論を深め意見交換を行いました。
「銃弾が飛び交う中で上のようなことは感じにくいはず」
「のんびりできる時間があるからこそ感じれる平和」
「ビッグイシュー(イギリス発祥)路上生活の方が販売している雑誌。ビッグイシューの会社は路上生活の方が自信をもてるようにとの思いがある。イギリスでの路上生活の調査結果、高卒が9割。なぜ路上生活をしている?30名の人の共通点として、仕事の中で感謝されたり、必要とされる経験ができなかった人との関係によって仕事を失ったということもひとつの理由にあげられている。このように戦争ではない状況だが同じように安心できない環境にある人たちも存在する」など、参加者同士、様々な思いを出し合い考えを深めました。

次に平和じゃないときってどんな時だろう?ということについて下記のような問いに参加者が答えていく形で自身の考えやイメージを出し合いました。

●Q.「子どもたちの日常において平和を奪われていると感じる時とは?」

守られていない・暴力・自由を奪われている・緊張している・自分の考えを表現できない・行動できない

子どもに当たり前にあってほしいものがそろっていない・自分がやりたくないことを無理やりさせられている時

当たり前のこと(食事・排泄など)が守られていない時・その子どもの親がしんどそうにしている時

自分の言いたいことを押さえつけられている時。・発達特性のある子が集団の中に入れず居場所を失ってうろうろと常に何かを求めている感じ。その子の「今日遊んでないねん」の一言にその子どもが日常において平和を奪われていると感じた。など、みんなで出し合った上記の内容は、実は子どもの権利条約に繋がるものだということに気付くことができました。そして、実は一人一人の環境の中で、差別・暴力など平和を脅かす様々な事実がある。そのような貧困・格差・差別から社会を変えていかないといけない。私たちの仕事や、このような集りから平和に変えていけるような一歩を歩めるのではないかということに気付くことができました。

●Q.どのような一歩を歩めば世の中は平和に進んでいけるだろうか?自身の身近なことから考えてみよう。

・シーパオの徳丸さんは天神橋筋で困っている人はいないか声をかけ、100人の女性の方から聞き取り調査をし、困っている原因を調査した。調査からは100人全ての人が暴力を受けているということが見えてきた。

・子どもたちも理不尽な環境やできごとにさらされていることが実は多くあるのではないか?

・奪われている人は奪われているということ自体の認識がないのではないか。

・生まれてきたときは、生まれたこと全てが祝福されたはずなのに、少し時間がたち大きくなると様々な優劣(早い遅い・勉強できるできない他)と比較に立たされる現代。人生5年と見なされている子どもは家族の責任のもと子どもは様々な比較のもとで自信を失っていっている子どもたちもいる。子ども自身のつらさは子どもが乱暴な言葉や行動で表現するしかないのではないだろうか。

・BeingでいいのにDoingを求められる今。面接で何を求める?顔・学力?

・主体は誰?人生5年の子どもたちは親にすすめられるままに物事を始める(興味)が辞めることはできないまま親の意志によって決められている場合もある。時に子どもは親の道具?所有物?なのかと考えさせられることがある。

・保育園でのダンス指導中子どもたちが誰一人笑っていないことに気付いた。ダンス指導は子どもたちは選べない。曜日ごとに様々なカリキュラムが組まれているが、子どもが主体となっていないんじゃないか?と思う時がある。この様な保育をベテランの先生が率先して行うと、若い保育士もこの状態、このような保育がが正しいのだと思ってしまうのではないかと危惧する。

・子どもたちがやらされている状態だということに、いかに保育士が気付きけるか、その必要性と大切さを感じた。その子どもが今自分でやりたい気持ち、やってみたいが気持ちが生まれるということの大切さを感じた。

・子どもが笑っていたり、楽しんでいる姿は保護者にも伝わると思う。

・自宅でスマホばかりみていた子どもが保育園に来て段ボールで遊ぶことを経験し楽しさを感じてくれスマホを見るよりも保育園に行って遊びたいと言ってくれるようになり担任として嬉しかった。

・面白くない気持ちや、やってみたいと思える気持ちが育たないと、やる気なくなるんだと思う。

・保育士自身の言葉の重みを自身で感じながら、一つ一つ子どもにかける言葉の大切さへの気付き。そして何気ない一言が子どもに良くも悪くも響き影響を与えてしまうという自覚を持ちたい。

●Q.では子どもと関わる中で私たちにとって何が必要か?私たちは何をしないといけないのか?平和をどう作れる。子どもが自由じゃない時ってどんなとき?
・子どもに対する親の責任とおじいちゃん、おばあちゃんの子どものかかわり方にヒントがある?

親族でなくても、ホッとできる人の存在が子どもにとって必要なのではないか。無条件に受け入れてくれる人の存在。

・無茶苦茶する子どもが手芸クラブのおばあちゃんが来ると嬉しくて膝に座って離れない。そんな存在。

・子ども一人一人の人生を背負うと感じる責任感の強さ。様々な経験をした、おじいちゃん、おばあちゃんの存在の方に話を聞いてもらえて楽になった。

・保育士の私が子どもたちと関わる時にしんどいと感じる時。母はいつも子育てでしんどい状態が続いている。保護者の方が園に来て、子育てこのままでいいんやと感じてもらえるような保護者同士のつながり、保育士とのつながりから、子育てって幸せだなと感じてもらえる、保護者がほっとできる時間を作りたい。

・保護者の方が笑顔になれる保育を

・コロナ下火になった時、園での祭りを再開した際、多くの来場者があった。保護者、子どもは繋がりを求めているのだと感じた。

・弱さを見せ合える場、繋がりをどう築いていけるか。

・キャンプで子どもが学校に行けないということを話したこと。弱さを見せる姿と弱さを受け入れる姿。横・縦・斜めの関係づくりの大切さ。

・保育園での保育士と何もしない時間、場所、雰囲気の必要性。学校では?小学生は日中管理監視の中にいる。放課後はどのような姿を見せているのか?(何もしない時間?遊びまわる?)

・選挙に行く!

~ 参加者と話を重ねる中で出てきたお話しと言葉の紹介 ~

■倉橋惣三…日本の自由保育「子どもにつく」という表現。「子どもの人間らしさ。子どもにつく」「ついついいたずらをした子どもに対して注意してしまう者よりも、くすっと笑ってしまった自分を好きである」「子どもと同じ目線であるゆえに、くすっと笑ってしまう自分がいる」。指導=誘導(昔の表現)

■奥田さんのYouTubeを見て…子どもに来たい時に来たらいいねんという人。教室では自分のしたいことを自由にする。先生が笑っていたら自由。先生が笑っていなかったら学級崩壊。

■書籍紹介:ヨハン・ガルトゥング著・題『2つの平和』

消極的平和(戦争反対、対立関係の解消など)と積極的な平和(新たな仕組み作り、協力関係の構築など)

■平和についての一言

・マザー・テレサ『平和は微笑からはじまります』
・ガンジー『平和への道はない。平和こそが道なのだ』
・アインシュタイン『平和は力では保たれない。平和はただ分かりあうことで、達成できるのだ』
・ジョンレノン『みんな平和について語るけど、誰もそれを平和な方法でやっていないんだ』

▽ 次回セツルメント研究会 9月27日開催予定