▼ 日 時  2019 年 5月21日(火) 19時15分~21時00分
▼ 会 場  育徳園子どもの家 
▼ 内 容  フリートーク 支援者座談会のテーマを決める     
▲ 参加者  8名 8施設・団体

▼ フリートーク内容

 5月11日弁護士会館にて開催された研修にメンバー1人が参加した。LGBT研修会での仲岡しゅんさん(弁護士)ロバート・キャンベルさん、村木真紀さんからのパネルディスカッションの話から、討議を深めた。
 まずは男性から女性へとなるトランスジェンダーのMTF(Male to Femaleの略)。また女性から男性へとなるFTM(Female to Maleの略)とはどのような方たちなのか、その表面の説明があった。その上で、なぜ日本のテレビ界ではMTFの芸能人たちを見ることは多いが、FTMの芸能人を見ることはほとんどないのだろうか?という投げかけがあり皆で討議する。
 理由の一つとしては、日本のテレビが作られている本質にあった。男性にとってはMTFの人は男性から女性に変わることで、その美しさや面白さなどは興味の対象となる(あいつ男のくせにきもいな。男やのにその辺の女よりかわいいやん。)。しかしFTMの人に対しては女性から男性に変わったことで男性からすると、見た目も男性に見えることから、あまり興味の沸くものではないといった心理が働く。そのためテレビではMTFの芸能人は求められ、FTMの芸能人は求められないといった現状があるという話が研修で上がった。
 この現状は、テレビ放送を、男性の目線中心として制作している事実があり、男性が認めているテレビ番組だからこそ、他の視聴者も受け入れ、今のMTFの芸能人の活躍がテレビで見られているという話であった。
 FTMの方たちではないが女性が男性役を演じるものも一部の場所では脚光を浴びている。その場所は宝塚歌劇団である。しかし宝塚歌劇団の人気を支えるのは男性でなく、約9割が女性であるため成り立つ興行であり老若男女万人に受入れられているものではない。
 男性の目線で作りあげられた男性社会(政治・経済etc)。知らぬ間にこのような偏った社会・構造を私たち自身が作りあげている可能性が高い。
 別の話で、某テレビ局の24時間テレビの話も会場で話題となった(以前しょう研でも議論の1つとして全員で討議した)。しょうがいのある頑張る様々な人を取り上げた企画では、頑張っている人が良い、美しいとされ、頑張れない人、頑張らない人は取り上げられないし、もっと頑張れよという構造を作りあげているのではないか(その構造に危惧してか、NHKバリバラでは某24時間テレビへの反旗を翻し、同じ時間に裏番組で24時間テレビを実施している)という問題提起であった。
 世の中にはまさに、何も考えずともうまく方向を決められ、沢山の人たちが流れに乗って進んでいく、中身が空洞な全体主義に陥っている可能性があるのではないだろうか。
 障がいのある人たちも知らぬ間に作りあげられた構造の中で、知らない社会に追いやられているのではないだろうか。
 以前『劇団態変』の方からお伺いした自身の体験談の中に「町の中で障がいのある人を見かけなくなった。その理由は実は、障がいのある人たちはいつもバスに乗り自分たちが暮らす場所を離れ、山の中の施設に移されているため、私たちは障がいのある人と出会う機会が無くなっていた」。「障がい児者たちが居なくなったのではなく、見えなくされている」という言葉が印象に残る。
 トランスジェンダーのテレビの話と、障がい者の話は共通している。男性や健常者という、社会の中でのいわゆる普通の人(強者)が実権を握り(時と場合により変化は生じるが)、その実権を握っている人たちが過ごしやすい構図を疑いもなく作ってしまっているという事実。力を握っている人たちの生活に支障のないように、うまく、見えないように構築していく作業を、我々は知らぬ間に手を貸しているという共通点があるのではないか。知らぬことで、考えないことで、私たちはマイノリティーを、見えない場所に追いやっているのではないかという話に至った。

▼ 支援者座談会のテーマ案

支援者の質を上げる
子ども保護者同僚について 
子どもの主体性を育む関わりとは
子どもに愛される支援者とは
子どもの姿から学んだ○○の話
子どもに伝えたい力を私たちはどう育むか
この行事を始めようと思ったとき、やり始めようと思った時
未来の地域福祉施設スローガンを考える
フリートーク※テーマ設定しない
様々な状況の家庭支援
悩んでいる保護者との関わり
療育って何してる?
新人教育
どう伝えているのか
インクルーシヴ保育・共生保育
こういう未来を創りたいそのために何をするか
障がいのある子もない子も一緒に

などが挙げられた 次回も 引き続きどのようなテーマでどのように座談会を実施するかを話合う事とした。

▼ 事例検討 

☆事例検討についてのルール
 個人が特定されないものにする
 事例検討により支援の質があがる、本人の生活がより良くなるものにする
 研究会で街で起きていることを共有し、対応方法を考える力を磨く
 多様な視点で検討する

★ 今年度の、地域の障がい児・者研究会の方向性
 ◯ 人権と平和を自分の周辺から考える
 ◯  一人ではできないことをみんなでやる
 ◯  支援の質を高める事例研究

次回
6月18日火曜日 19:30~